「ペイフォワード」の精神で

自分が受けた恩を、恩人ではない次の「誰か」へ。

無償で支えてもらったたくさんの恩

「ペイフォワード」とは、自分が受けた恩を、その恩人ではない別の誰か2人に返す(手渡す)ことで、 幸せが未来へとネズミ算式に広がっていくと言う夢をテーマにした映画のタイトルです。

まだ車の免許がなかった16〜17才の頃、リヤカーにモトクロッサーのYZ125を積んで、それを原付のDT50で引っ張って 3時間もかけて川西モトクロス場まで通っておりました。そんな姿に、川西で知り合った多くの方々が、親代わり、兄貴代わりになって無償で手を差し伸べてくれるようになり、その内にこれらの方々が順番でトランポに同乗させてくれるようになりました。 もちろんガソリン代などもとらずに。

そして同じチームにも入れて頂き、今のキッズのお父さん達のように練習を見てくださったり、レース出場の際には 桶川や菅生や長野や二本松などのレース会場まで乗せていってくれ、ご自身もレースがあるにも関わらずメカになり、 サインボードを出してくれたりし、帰りもまた運転してくださいました。

「このマシンでレースに出てみないか?」
そんな風に私の参戦を手伝ってくださるだけでなく、マシンが壊れた際は代わりのマシンを貸してくれたり、成績が良いときはメーカー貸与マシンの手配までしてくださったり。同じモトクロスという競技をしていると言うだけの理由で、血も繋がってもいない他人の私に、親子か兄弟の様に 皆さんが真剣に協力援助してくださっていました。

結局、怪我でモトクロスは辞めてしまい、現場を去った私は恩返しもしないまま皆さんとは疎遠になってしまいましたが・・・。


25年目の恩返し

それから25年も経ってから再びバイクとモトクロスの現場に帰ってきましたが、心の中には一つの思いがありました。
それが「ペイフォワード」の精神でした。

当時に受けたご恩を、当時お世話になった方々に返すことが 出来ない代わりに、モトクロスやモータースポーツの活動を通じ(大げさな言い方になってしまいますが)二輪業界とモータースポーツの振興と普及支援の為に、これからを担う世代に協力する「ペイフォワード」の精神で恩返しして行こうと決めて活動してきたことは、私のモトクロス復活と同時に、ゼロからヨチヨチとバイクに乗り始めた「かまた」が、これまでブログ「かまたのバイク日記」の中で何度も書いてきました。

映画はフィクションでしたが、同じ事をやっていくことで、実際に幸せや思いが多くの人と未来へ広がっていく事を確信して、 「ペイフォワード」のポリシーを核に、未来のライダーを育てるキッズレースのお手伝いや、今年からIAに昇格した 高輪喜樹選手へのサポートも、この「ペイフォワード」の一環で行ってきました。

この高輪選手が同様にキッズなどへの指導を精力的に行ってくれるのは皆様もご存じの通りですが、ブログの読者の方々の中にも、同じように「ペイフォワード」の精神を理解してくれて モトクロス未経験だったにも関わらず、「よし、それなら自分もやってみるか!」と始めてくださり、そしてその楽しさにどっぷり首まで浸り、すっかり虜になるだけでなく、息子さんも乗せる様になり、そしてご友人家族も誘って、また更にそのご友人も他のご友人を誘って・・・と、映画の「ペイフォワード」と同じことが、奇跡のように、この3年間、目の前で起き続けました。

念願の大型免許を取ったとたんに、私のバイク復活とともに免許のいらないオフロードの世界に引きずり込まれた「かまた」でしたが、下手くそなりに一生懸命自分がモトクロスに取り組むことで、バイクとモトクロスにまつわって起こる小さな奇跡(私たちは「神さまからのプレゼント」と呼んでいます)に驚き続け、それを拾い集めて、稚拙なりとも8年にわたってブログに綴ってきました。するとまた、それを受け取って、モトクロスの楽しみを知った方々が、また別の誰かに手渡してくれて・・・と、モトクロスの輪がどんどん広がってきてくれました。

これまで3年間、縁あって地元のキッズクロスのお手伝いをしてきましたが、今回、もっと層を広げて、オールマイティーな年代層にモトクロスの楽しさを伝えていけたらという思いで、「川西ルーキーズクロス」を開催させて頂く運びとなりました。
大きな大会にするつもりはありません。何よりもモトクロスのルーキー(初心者・新米)さんに、川西モトクロス場という、都会にはなかなかないマウンテンコースで、泥んこになったり土ぼこりにまみれたりしながらオフロードを走る楽しさを味わって頂けたらという思いです。
もちろん「クロス」ですから速さを競うレースですが、目を三角にするのではなく、目は半月にしながら楽しく競い合えたらと願っています。そうする中で、モトクロスファン、川西モトクロス場のファンが一人、また一人と広がっていってくれたらというのが私たちの願いであり、「ペイフォワード(次の人への恩返し)」です。

大会開催の目的

地域と共存しながら次世代に残すために。

(1)川西モトクロス場への恩返し

モトクロスで多くの経験と沢山の方との交流を与えてくれた川西モトクロス場。
時代の流れとともに、近隣のモトクロス場が次々に閉鎖となり姿を消していく近年の動向を思うと、手放しで楽しみだけを享受するのではなく、これからも次の世代のライダー達が川西モトクロス場で走り続けられるように、川西モトクロス場が永続的に存続できる為のお手伝いをすることを「川西ルーキーズクロス」開催の目的のひとつとします。

そのためにまず、大会開催時の貸切費用をコース運営者に支払う事で、コース整備が充実され、川西のコースがこれからも良い状態で存続し多くの利用者に有意義に活用され、モトクロスの普及に役立つことを目標といたします。

また、老若男女問わずにモトクロスという共通の競技に関わることが、モトクロス人口の増加にひとつの効果があるのは事実ですので、オールマイティーに誰でも参加できる大会として開催し、その他のモトクロス競技の大会やイベントとの同日開催は(バッティングは)基本的に避けた開催日程を考慮・決定し、誰でも一日有意義にモトクロスを楽しめる大会として発展させ、モトクロス競技人口を増やして行くことを目標といたします。

川西の貸切コース代を支払うことを記載しましたが、エントリーフィーの徴収理由の唯一の目的はこの川西の貸切費用の充当です。この支払いを継続することで、コースやスターティングマシン、パドックの整備はもちろん、トイレやその他設備の充実に役立てていただきパドック泊、車中泊の参加者が快適に過ごせる様になる事をめざし、結果、モトクロス人口の増加に少しでも助力できることを目標といたします。

(2)ライダーである前に一人の人間として

モトクロスに限らず、どのスポーツでも1番になることを目指し切磋琢磨することは大切ですが、その努力も必ず全員に報われるものでもありませんし、 1番になれるのはたった一人でしかありません。 しかし、その過程で経験する負ける悔しさ、そして課題を越えようとして日々努力して試行錯誤する経験は、人格形成にも大きな意味を成し、 その後の人生も豊かにしてくれます。

ライバルや仲間を思いやり、大切にする気持ち。常に協力する父兄、そして協力者や競技関係者への感謝の心。
これからの社会を担う青少年の人格育成の為にも、モトクロスとモータースポーツの振興と発展を目指した正しい理念とポリシーに則り、社会常識にそった倫理的・道徳的に正しい行いで大会を運営することで、参加した方々、特に子供たちが将来有望なライダーに育ってくれることももちろん望みますが、 それ以上に、社会人として感謝や恩義を大切にでき、他者を大切にでき、また他者からも尊敬される大人に成長し、 様々な場面で活躍しながら、また次の世代にそれを手渡していく人材になってもらうえるような大会をめざし開催したいと願っています。

また、一生涯学習の意味合いでも、大会に関わって下さる参加者の皆さんが、この大会参加と運営協力を通じ子どもたち同様に成長の糧をひとつでも多く見つけ出し、家庭においても、地域社会社においても、職場においても、より良い将来の為に、後進の指導・育成が出来る規範となる大人になっていく努力をともに行って行きたいと願います。

(3)エントリーフィーについて

どんなに良い大会を開催しても、参加者の皆さんには「エントリーフィー」「高速代」「ガソリン代」という、その他の費用が付いてまわって、その負担が大き過ぎれば、出たい大会にも参加していただけなくなってしまいます。 大会参加にかかるこれらの費用のうち、高速代やガソリン代は大会側ではどうすることも出来ない費用ですので、エントリーフィーの参加者負担を大幅に減額することで、多くの方に参加していただきたいと考えます。

繰返しになりますが、「川西ルーキーズクロス」は営利目的の大会ではなく、エントリーフィーは基本、コースの川西モトクロス場の貸切費用充当の為のものと定めますので、 参加者が多数となり、コース貸切費用を上回るエントリーフィーが発生した場合、余剰金として蓄積し、国際A級選手を招待しての講習会の開催など、 大会参加者へ還元していくことといたします。

また集計負担を減らすためにトランスポンダを導入して、メーカーであるMyLAPSからポンダの協賛を受け、実費である1000円/台で貸し出しいたします。 その後、ご自身専用に購入された「Myポンダ」を持参の参加者は、この費用が掛からなくなります。

最後に

一人でも多くのモトクロス「ルーキーさん」が
川西モトクロス場を訪れてくれますように。

本大会の開始の年となった2015年は、この川西モトクロス場に縁(ゆかり)のある3人のライダーがIA昇格し初めて臨む「ルーキーイヤー」でもあります。今回の大会名を決めるにあたり、このIAライダー3人の「ルーキーズ」というキーワードが大きく心をとらえました。
そして、大会の『老若男女問わず、モトクロスの経験が浅いルーキーの方、大歓迎!』という趣旨にもあいまって、この大会名と致しました。
一人でも多くのモトクロス・ルーキーの方々が川西モトクロス場を訪れてくれます事を願っております。

川西ルーキーズクロス実行委員会
代表 諏佐 登志晴